DAICON7レポート第2日

2008/8/24(Sun)

SF大会2日日です。と言っても2日間しかありませんから最終日なんですけどね。
2日目は10時からスタートです。初日よりも1時間早く実家を出て会場へ。

南海難波駅で、大阪市立科学館の長谷川学芸員とばったり。彼は今日のセッションで「学天則」のことを話すためにゲストとして呼ばれていますから、一緒に会場へ。というか、私もそのセッションに出る予定なんだから、一緒に行くのは当然なわけですが。

今日の参加セッションは下記の通り。

メディア・ロボット講座
宇宙作家 A.C.クラークを語る
”ニ”はニセ科学の”ニ”

でした。

メディア・ロボット講座
「ロボット」というものが取り上げられた作品、特に映像作品を中心に「ロボットとはどのように見られていたのか?」という第1部。続いてSF雑誌上で描かれたイラストに登場するロボットの変遷。そして第3部が学天則だったわけです。
「フランケンシュタイン」や「メトリポリス」などの有名どころから、まぁ
「そんな作品があったのか!」
と言いたくなるような作品までが目白押しの第1部。
そして初期は触手的な腕が多かったというSF雑誌上のイラストで描かれたロボット。宇宙人が持ち込んだ単なる機械として描かれていたり、「ロボット三原則」成立後のスタイルの変更など、時代時代によってロボットの扱いが変わってきたことを物語る内容で、これも面白かったですね。
最後は学天則ですが、これはまぁこれまで大阪市立科学館で聞いていた内容と大体同じ。制作者の西村真琴がどういう人物だったのか?学天則のお披露目やその後の公開の様子はどうだったのか?学天則はどのようにして動いていたのか?そして学天則に込められた想い・・・などなど。詳細は科学館のプレスリリースなどでいろいろ紹介されていますから、そちらをご覧ください。

 

宇宙作家 A.C.クラークを語る
2つ目はこれ。まぁ、宇宙作家クラブが主催ですから行かないわけには、ね。
内容は宇宙作家クラブ所属のメンバーが9人ほど壇上に上がり、クラーク作品への自分なりのとらえ方や、クラークの人となり、クラークの残した功績などを語り合っていくという内容でした。あの人数がいれば、適当に振っていくだけでも時間いっぱい使い切っちゃうわけですから、ある意味内容の濃い、良いセッションになったのではないでしょうか?しかし・・・本番の数日前まで言い出しっぺがほったらかしてたとは思えない素晴らしい内容は、さすが普段から物書きをしている方々だなぁ、と思いました。

 

”ニ”はニセ科学の”ニ”
えっとですね、まぁタイトルの通りです。要は疑似科学とか似非科学とか言われているものの内容を吟味して、おかしいだろう?と笑ってしまおうという内容に近いのですが・・・
実はSFもいろいろと今の物理現象を否定するようなモノを設定して物語を書くことがあります。しかしそれは物語を面白くするための仕掛けであって、それを
「本物です」
などと主張したりはしないわけです。でもそのネタの範囲では矛盾がないように、ものすごくきっちり理論を突き詰める。その科学的態度たるや半端じゃありません。こういうのは、というか、こういうのを「疑似科学」と呼ぶべきだろう、という話でした。
それに対して
「水に良い言葉をかけると綺麗に結晶として凍る」
などというのは「ニセ科学」と称するべきだろう、と。水の例で言うと、実際に綺麗な結晶になる再現率が極端に低い。条件が上手くいかなければ決して再現しない。こんなのは科学じゃない。
しかも「綺麗」=「良い」とは限らないのがこの世界。綺麗でも毒を持っている生物はいるわけで、
「綺麗ならOK」
ってのは論理的にもおかしいだろう、と。ついでに言うと学校の道徳の時間でこれが教材として使われている例も多いそうで、そういうのが理科離れとか学習離れを加速してるんだろうなぁ・・・

あと、ちょっとショックだったのは「揺籃の星」「黎明の星」で、ヴェリコフスキーの「衝突する宇宙」をネタにしていたJ.P.ホーガン。あれはネタとして書いてるんだと皆信じていたわけですが、堺三保氏曰く
「残念ながら本気らしい・・・」
とのこと。よくよく考えれば名作と言われる「星を継ぐ者」にはじまる巨人シリーズ4部作や「創世記機械」なども、結構なトンデモ理論が使われているわけで、どうもホントのトンデモさんではないか?という疑惑が。
しかも難儀な話で、トンデモなネタなのに、しかも本人本気らしいのに、面白いんだこれが。困ったモンだ。

 

 

さて、このあと表彰式と閉会式だったわけですが、翌日は東京で仕事があるため早々に退散。18時過ぎに新大阪を出る新幹線で小田原まで・・・だったのですが、大雨で新幹線が動かず。結局、家にたどり着いたのは月曜日の9時。さくっと会社には有給休暇の申請をして、家で寝てましたともさ。
最後の最後でケチが付いたなぁ・・・