NTT R&Dフォーラム2018(秋)

今日はNTTの武蔵野研究所で行われていたフォーラムに行って来ました。要は、NTTが研究している技術を、研究者自らが説明してくれるという一般公開みたいなもんです。これ、もちろん招待が必要で、勝手に行って見られるわけではありません。

というわけで、私は毎度の事ながら、NTTコミュニケーションズの方に誘っていただいて行ってきました。

今回は、複数の人間で喋っても、特定の人の声だけを抽出する技術とか、向こうが透けて見える電池とか、そういうのを見てきました。電池の方はどうやら、昨日のトレたまで紹介されたようで、人が結構集まっていました。私もネットのニュースで読んでいましたので、実物を触らせてもらい、且つ、写真も撮らせていただきました。

透けてるだけでなく、曲げられるし、面白い技術です。しかも充電可能な二次電池。もう少し透明度が上がると、もっと楽しくなりますね。

 

今月の歩数:254,547歩
今日の体重:72.1kg

ソードアート・オンライン エキシビジョン

今日は神戸三宮にあるサンボーホールまで行ってきました。目的は

「ソードアート・オンライン エキシビジョン『THE SEED』」

です。10時半頃に着くように行ったのですが、まさかまさかの、入場まで1時間待ち! いやー、あんなに時間がかかるとは思わなんだ。

とりあえず、いろいろと見て回ります。アニメの名シーンがパネル出力されて壁に貼られていますが、そのへんはあんまり興味なし。過去にはナーヴギアの実物大模型が出ていたはずなのですが、今回はなかったようです。

で、撮影した最初はこれ。

アインクラッド編の等身大フィギュアです。キリトの方はエリュシデーターとダークリパルサーによる二刀流モード。アスナの方はランベントライトですね、
今回はアインクラッド編からマザーズ・ロザリオ編までのものがいろいろと展示されていましたが、内容は結構微妙ですね…もう少しいろいろと出してくれると良いのに。これなら宇宙戦艦ヤマト2199展の方が見るべき所は多かったなぁ…

でもまぁ、折角なのでこれ。

エクスキャリバーです。刀身にルーン文字が刻まれていますが、これは現地で読んでもあんまり意味が分からなかったので、というか、どのルールで書かれたアルファベットか読み解くのが大変でしたので、写真に撮ってきました。あとで解析しよう。

あとは、最後にあった大型ポスター。

アインクラッド編ですね。やっぱり、これが一番かなぁ。

 

今月の歩数:279,699歩
今日の体重:68.6kg

京まふ2015

行ってきました、「京都国際マンガ・アニメフェア2015」、通称「京まふ2015」です。場所は京都は平安神宮そばのきょうめっせ。

8時半頃に家を出発し、現地到着が9時半ちょっと過ぎ。1時間で行けてしまった感じですね。9時スタートのイベントですので、すでにいつでも入場可能、入り口も混んでいませんよ、という感じでした。

とりあえず物販コーナーを冷やかし、その後は展示会場へ。

うんうん、今年もいろんなところが出展してますねぇ。というか、NHKエンタープライズが出してる「忍たま乱太郎」ブース。やたらと若い女性が並んでいたけど、あれは何だったんだろう…?もしかしたら別のアニメだったのかしら。

トムスや手塚プロ、MBSなどのブースを一通り回り、京都市交通局のブースへ行ってみると、11時からイベントがとか書いてある。じゃあ、とステージに移動。その途中に、ラブライブ!のねぶたが。

トークショーを見学してから会場を離脱。午後の予定があった大阪市立科学館へ移動しました。

しかし、ここのところ毎年行くようになってきましたが、やっぱり京都のフェアはちょっと雰囲気が違いますね。来週は神戸のポップカルチャーですけど、あっちはどんな感じなのかなぁ…時間と仕事に余裕があったら行ってみようかな。

おまけ

 

今月の歩数:263,904歩
今日の体重:未計測

京都国際マンガ・アニメフェア2014

行ってきました。今日は終日京都です。目的地は平安神宮に隣接している「みやこめっせ」で開催されていた「京都国際マンガ・アニメフェア2014」です。

朝10時頃に出発し、11時過ぎに到着。特に並ぶことも無く入場し、展示場や物販ブースを回りました。ブースはいろんな物が出ていましたが、京都っぽいモノと言うことで、こんな物を撮影してきました。

さらに物販でも京都っぽいモノと言うことで、左が煎茶、右がしいたけ昆布です。

あとですね、外にパトレイバーのAV98式イングラムの実物大模型が来ていました。ついでなので撮影。

その後、地下鉄で烏丸御池に。ここにある第2会場「京都国際マンガミュージアム」へ。何があるというわけでは無かったのですが、行ったことがなかったのでちょうど良いかな? と。
で、「艦これ展」をやっていましたので、見てきました。…うーん、なるほど、こういうモノですか。ある程度は知っていたけど、もうちょっと研究しないとよくわからんなぁ。

さ、明日仕事をしたら、明後日からは東京。宇宙博2014最終日に現地で解説です。

 

今月の歩数:268,000歩
今日の体重:68.8kg

京まふ2012

朝から京都は平安神宮に併設されている京都市勧業館(みやこめっせ)で行われている

「京都国際マンガ・アニメフェア2012」

へ行ってきました。朝は解除時刻である9時前に現地に到着するという気合いの入れようで。
というのも、「宇宙戦艦ヤマト2199」の総監督である出渕裕氏とチーフメカニカルデザイナーである西井正典氏による

「ヤマトーク ~京まふ出張版~」

が14時からあり、その整理券が配布されるからです。9時前に行ったにも関わらずものすごい人・人・人でした。入場と同時にとりあえずヤマトブースへ行き、何とか整理券をゲット。それでも83番でした。うーん、恐るべし。

で、ここには全長5mのこれもありました。

側面から

左斜め前から

右後方から

物販コーナーへ向かう人々

いやぁ、すごいわー。私が若い頃にはまだまだ「アニメはオタクのもの」という印象が強かったのですが、こんなにたくさんの人が集まるんですね、今では。

しかも若い人も多いし、親子連れも結構いました。親子でアニメファンって人たちも増えてるんですね。

ちなみに、これらの人みんながヤマト狙いではなく、なんだかよく分からないアニメ狙いのようでした。すみません、もう全然ついていけませんでしたよ。

 

今日の歩数:12,586歩(9月合計:250,701歩) 
今日の体重:67.9kg

月探査に関する懇談会 第7回会合

今日は会社を休んで、これに行って来ましたので報告です。

座長が遅刻ということで、いきなり5分以上遅れてスタート。まずは配付資料の確認。配布されたのは以下の通り。

資料1 ロボットに関する専門家打ち合わせにおける検討結果
資料1-1 高度ロボットによる月探査に関するヒューマノイド系ロボットの検討結果
資料2 月探査の考え方の見直しについて(案)
資料3 月探査に関する懇談会報告書(骨子案)
参考1 月探査に対する意識に関するアンケート結果
参考2 月探査ナショナルミーティングの概要
参考3 米国の宇宙探査に係わるオバマ大統領の所見(概要)

 

最初に資料1を長谷川委員が説明。
ほとんど資料の読み上げだったので、そのうちアップされるであろう資料に対して、公会議にリンクを貼ります。そっちを参照のこと。

続いて資料1-1を井上委員が説明。
月探査は科学の話が中心になりがちだが、ここでは技術フロンティアとしてのロボットということで考えた。もちろん現状の技術等を考えれば、JAXAが出しているローバー型が妥当。がしかし、その中でもしヒューマノイド型をやるとしたらどんなシーンが考えられ、何が技術的要素としてクリアが必要なのかを考えてみた。
その際、探査自体はローバー型に任せる。ヒューマノイド型は基地建設や維持を人間と協力しながら行う。プラス、人間が遠隔操作する分身としての利用というのが望ましい姿。

この分身は2015年くらいまでかけて地球上で実験を行う。可能であれば2020年を目標に月モデルを開発し、2025年までに月面での運用を行う、というシナリオを考える。

その際、こういった開発は現在の宇宙分野だけでなく、いろんな分野からの参入が求められる。また技術の継承や技術者の出入りも想定し、各モジュール間のインターフェースをキッチリと規定し、基盤化する。それによって、様々な分野の最先端の技術を取り込み易くし、各業界が成果を自分の会社に持ち帰り、応用しやすくする。
こういった体制を作る、まさにシステム開発体制のパラダイムシフトが必要だという主張。

毛利委員からももう少し詳しく等、他の委員からの同意も多かったが、これは宇宙以外の産業でも同じで、日本の場合、もっと他業種の成果を取り込み、交流が図られる、まさに今回提言されたシステム開発体制のパラダイムシフトが重要になると考えられるので、このプロジェクトがそのモデルケースになると良い。

 

すみません、続きはまた明日書きます。

金星探査機「あかつき」、小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」報道公開

事情により1週間延びていた「金星探査機『あかつき』、小型ソーラー電力セイル実証機『IKAROS』報道公開」が、JAXAの相模原キャンパスにて行われました。今回は会社を休み、宇宙作家クラブのメンバーとして取材に行って来ましたので、報告したいと思います。

9時半から受付を開始し、10時から始まった今回の報道公開ですが、まずは会議室にて20分ずつ、「あかつき」「IKAROS」の順番で、その概要説明と質疑応答がありました。

「あかつき」は金星の大気運動を主に調査する為の探査機です。特に「スーパーローテーション」と呼ばれる秒速100m以上の風が常に吹いているという、地球とほぼ同じサイズの惑星であるにもかかわらず、あまりにも地球と異なる大気運動が、一体どのような理由で生じているのかを突き止めるのを主目的としています。他にも「子午面循環はどうなっているのか」「雲はどうやって作られるのか」「雷は発生するのか」「活火山はあるのか」を調べることを目的としています。

もちろん、単に観測して知見を広げるわけではなく、スーパーローテーションにしても幾つかの仮説が既に立てられているので、これらを検証するためにはどのような観測機が必要なのかを検討した上で、今回の目的のために最も適した観測機材を搭載しているのだそうです。

今回は5台のカメラと、電波掩蔽観測のための基準信号源の6つの観測機器を搭載しています。
「1μm」「2μm」「10μm」の赤外線領域を観測する3台のカメラは、それぞれ「地表付近まで観測」「金星の雲の下」「雲層上層部」を撮影できるようにして、様々な高度での風の動きを調査します。
紫外線イメージャーは雲の形成に関わる二酸化硫黄などを調査します。もちろんこれは雲の形成に関わるわけですから、雲頂高度での風速分布を求めることが出来ます。
雷・大気光カメラは高度100km付近の高層大気を観測します。またこのカメラは32μ秒の高速露出が可能になっていて、雷放電発光が存在するかどうかも調査します。
その他の4台のカメラについては1時間に1回画像を撮る事になる予定だそうです。この辺は「ひまわり」など、地球の気象衛星が観測している周期と同じだそうです。あまり短い間隔で撮影しても必要な情報はあまり増えないので、この程度のインターバルで十分だろうと。

さて、この「あかつき」ですが、5月18日に打ち上げられた後、予定通りだと12月5日(?)に金星の周回軌道に乗る予定です。軌道は近金点300km、遠金点8万kmという楕円軌道に乗ります。軌道周期は30時間です。
この軌道を選択したのは、探査機が遠金点側にいる20時間は、スーパーローテーションの移動速度と探査機の移動速度がほぼ一致するため、大気の同じ場所を追いかけながら撮影することが出来る上、近金点に近い所では金星にかなり近づくため、クローズアップしてより高い解像度の映像を得られるためだそうです。

 

続いて「IKAROS」です。こちらは「太陽ヨット」だと思えば大体合っています。太陽からの光の圧力「光圧」を受ける帆(セイル)によって、太陽が輝いている限り力を受けて加速を続けることが出来るものです。

今回はその実証を世界で初めて行うのも目的としています。特に月軌道よりも遠い深宇宙での実証は例がありません。
またセイルを広げるのであれば、折角の大面積を活用しない手はないだろうということで、表面に太陽電池パネルを貼り付け、電気もこれによる発電でまかなう実証も行う予定になっています。

特に将来は木星探査機をやってみたいらしく、木星までの加速はセイルを使って行う予定だそうです。ただし、木星の周回軌道に乗せるためには太陽光の光圧だけでは難しいので、自由に噴射できるエンジンが欲しい。そのため、「はやぶさ」にも搭載したイオンエンジンを使うのが良さそうだという結論になっていて、このイオンエンジンを動かす大電力を作るのに、セイルに貼り付けた太陽電池パネルを使うのだそうです。つまり推進系はセイルとイオンエンジンのハイブリッドが有力だと考えていて、そのための実証を行うわけです。

ミッション自体は、ミニマムサクセスがセイルを無事に展開できるまで、フルサクセスはセイルによる加速と軌道制御が出来ることです。これは半年で達成する予定ですが、もちろん寿命は半年以上になるはずですので、様々な軌道制御技術を試すのと、薄膜太陽電池の劣化試験、惑星間空間のダスト量の観測を行う予定になっています。

さて、概要説明後は全体を4班に分けての別行動です。放送局と新聞は先に撮影に行ってしまいました。彼らから突っ込んだ質問が出ることはないだろうという事なのかもしれません。

逆に雑誌、Webメディア、そして作家陣は10時40分以降は12時頃まで、技術説明員による質疑応答が行われました。ここは遠慮無く、マニアックなところまでガンガン質問が飛びます。先に書いた内容にも、すでにそのマニアックな質問の一部を盛り込んでいますが、まぁ、そこはよしとしてください。時間があれば、もっとマニアックな内容は改めて書いていこうと思います。

その後はクリーンルーム見学です。ここはカメラを持ち込みましたので、写真による解説をしていきましょう。


クリーンルームを上から。手前が「IKAROS」、奥側が「あかつき」

 


金星探査機「あかつき」

 


「IKAROS」

 


クリーンルーム内

 


「あかつき」と「IKAROS」

 


「あかつき」全景

 


蓋の付いているのは「スタートラッカー」。2基のスタートラッカーと、太陽センサー(太陽がどちらの方向にあるのかを調べるセンサー)で、3方向を確認し、自機の位置を確認できるようになっている

 


左側、縦に3つ並んでいるのはカメラ。上から「中間赤外カメラ」「紫外線イメージャー」「1μmカメラ」
上に折りたたまれているのは太陽電池パネル

 


太陽電池パネルの本体接合部アップ。360度自由に回転できるようになっている。左右のパネルは独立稼働できるが、別々の方向を向ける意味はないので、基本的には同期して回転するとのこと。

 


「IKAROS」全景。真ん中の黒い棒は、セイルを抑えているバー。セルを展開するときには、最後にこのバーが開くことで展開を完了する。

 


右側の方に写っている四角いものは、先端マスというおもり。実証機は回転しており、この先端マスのロックを外すと、遠心力で本体に巻き付けているセイルが延びていく。これが90度ごとに4つついており、セイルが十字に延びきった後、バーが外れて、四角に展開する。

 


キチンと展開できたかを確認するカメラ。2つ用意されている。

 


おまけ。「あかつき」のフェルトで作られたマスコット(?)

 


別アングルから

宙博2009

11時にはものすごい並び方で、1時間待ちとまで言われた「宙博2009」。

仕方がないので、ちょっと空くまで上で行われていた「大江戸骨董市」をふらふらと見て回り、江戸切り子のグラスに思わず手が伸びそうになったり、焼 き魚用の陶器を探したりと、結構面白おかしく見て回りました。

また、昼食もその辺に出ていた屋台のパン屋でメロンパンとカレーパンを買ってもぐもぐ。骨董市を見ながら食べておりました。

一通り食べ、見て、みんながお昼ご飯を食べに出てくるであろう13時に会場へ戻ってみると、さすがに列も短くなっているではないですか。

「これならそんなに待たなくても入れるか な?」

と並び、30分ほどで入場でしました。

しかし会場はそんなに大きくありません。いや、はっきり言って狭い。昨年パシフィコで行われた国際航空宇宙展なんかと比べると、面積で10分の1程 度。金額は高いのに見るところがない。いかがなモノか? って感じでした。

とりあえず、NTTファシリティーズのブースで知り合いと雑談し、ストラップをもらったりしておりました。

その後はまず、発電衛星計画であるSSPSの展示コーナーで研究の進展具合などをいろいろと質問します。とりあえず、マイクロ波で送電するところは小規模な実験では技術の確立は出来つつあります。ただし、衛星からの送電というのはまだないわけで、当面の目標は低軌道に打ち上げた実験衛星と地上に作られた受電設備との間でキチンと電力の送受信が出来るようにすることだそうです。

受電設備は高調波の発生などもありますので、それを防ぐ回路設計も必要ですが、やはり都心部には作りにくい。しかしそんなに面積を取れる土地も日本にはないので、海上、特に無人島を核として周辺に構築するのが良いかもしれない、ということでした。もちろんフロートだって有力な構築方法なんですけどね。

また、本番はやはり静止軌道に投入したい。しかも原子力発電の代替を考えるなら、寿命が30~40年にならないと、電力会社としては踏み切れないだろう、ということで、メンテナンスをどのようにするのか? というのが大きな鍵になるだろう、と。
それと、静止軌道にそれなりに大きな衛星を置くことになりますので、いろんな機能を持たせて場所を上手く確保することを考えないといけないし、他の国との関係や電波の周波数割り当ての調整などを考えると、やはり東アジアの国々で協力して開発・設置した方が良いだろうとのことでした。かなり政治的な立ち回りをうまくやらないと、技術的には何とかなったとしても実現にこぎ着けるのは難しそうです。

そしてTMTの コーナーで質問&雑談。

うーん、参加するとすると、分担金は300億円ですか。すばる望遠鏡の400億円よりは安いですが、こういうのって、ホントにそれで収まるかどうかはわからんもんなぁ。

一応、研究テーマとしては、宇宙最初期の天体の発見と、地球型惑星の直接撮影になるだろうとのこと。ま、そりゃそうだな。とりあえず、最短で2018年完成。しかし、たぶん2020年以降にファーストライトになるだろうとのことでした。

 

以上で終わり。

でも、あの内容なら来年は行かなくても良いかな…

JAXAシンポジウム2009

今日は会社を定時で上がって有楽町のマリオンに入っている朝日ホールへ走ります。目的は18時半から始まる「JAXAシンポジウム2009」へ の参加です。実は、ずいぶん前に申し込んでいたのですが、そのときに返ってきているはずのメールが見あたらない…仕方がないのでWebサイトで場所を再確 認し、会場に向かいます。途中、最も会場に近いとされていた地下鉄の7番出口が封鎖されているというトラブルにも巻き込まれましたが、何とか開始5分前ま でには席に着くことが出来ました。なんか満席状態で、ものすごく人が多かったんですけどね、会場。

さて、偉い人の挨拶があり、JAXAの昨年度の活動内容がビデオで流された後、今年度の事業計画が報告されました。とは言っても大きいのは国際宇宙ステー ションの「きぼう」モジュール完成、2名の宇宙飛行士が今年度もこれから宇宙へ行くこと、そして、この宇宙ステーションへの無人補給機「HTV」の初号機 が9月11日に打ち上げられる予定になっていることくらいでしょうか。
JAXAとしての新規の衛星打ち上げは来年度までありません。今年は内閣府と防衛省が主管の情報収集衛星打ち上げくらいじゃないですかね?私が今聞いている範囲だと。

JAXAの話に戻しますと、HTV初号機は食料・衣料・船外実験装置を輸送する予定で、国際宇宙ステーションとは自動ドッキングせず、ロボットアームで掴んでもらい、ドッキングさせるという手法を採るようです。
そして既存に衛星に関しては、直近に打ち上げられた「いぶき」は5月に公開した観測データが地上のものと傾向があっていたため、おそらくデータの信頼度は 大丈夫なんだろうと判断されているそうです。今後はキャリブレーションをもう少しやり、観測精度をあげていく努力をするんだそうです。

先日、宇宙からの七夕メール送信実験を行った「きずな」は、今度は7月22日に、硫黄島から皆既日食の中継(あくまでも情報の伝送実験)をやるとのこと。

来年度以降には新しい衛星の打ち上げが予定されていて、一つはGPSを補完する準天頂衛星、そしてもう一つは金星探査機PLANET-Cです。現在、両衛星とも組み立てと試験が行われている最中で、大きな遅れはないとのことでした。

続いて第2部はトークセッション。フリーアナウンサーの草野満代さんが聞き手となり、宇宙飛行士の向井千秋氏、天文学者の中川貴雄氏とトークを行いました。
中川氏の話は、すみませんが割愛させてください。とりあえず彼が話したのは
1)天文学は「我々はどうやって生まれたのか?」「人類はひとりぼっちなのか?」を解き明かす学問である
2)日本の宇宙科学は様々な探査機や天文衛星で支えられている。特に天文衛星は現在「ひので」「あかり」「すざく」の3衛星が様々な波長で宇宙の謎を追いかけている
3)ダークマターの正体は皆目見当もつかない
4)今後は電波天文衛星「ASTRO-G」、X線天文衛星「ASTRO-H」の計画が承認されている。氏個人としては赤外線天文衛星「SPiCA」計画を策定中

というあたりです。またそのうち詳しく書くかもしれませんが、今日のところはこんなもんで。

さて、時間を少し巻き戻して向井氏の話をしましょう。
氏が室長を務める「宇宙医学生物学研究室」は2007年に出来たばかりの新しい研究室です。それまではNASDA以来、宇宙飛行士を元気に送り出して、無 事に帰ってこさせるという体調管理の部門はあったそうですが、宇宙での知見を地球での医療などに役立てようという部署はなかったそうで、それを設立したの だそうです。

この研究室の研究領域は以下の通りです。
1)生理的対策
2)精神心理支援
3)放射線被曝管理
4)軌道上医療システム
5)宇宙船内環境

1)について。地球の10倍くらいの速度で骨粗鬆症が進行するため、宇宙飛行士は地上では健康な状態でも、宇宙に行くと病気もどきになる。戻ってくると病 気もどきから健康に戻る。これを短期間で見ることができるので、これを研究すれば骨粗鬆症の解決方法が見つかるかもしれないと言います。
他にも高齢者健康管理、健康増進への活用、予防医学への応用などが考えられる分野です。

2)は精神心理面対応に応用できます。例えばストレス対策への応用、不眠対応などですね。
3)は航空機の国際路線に搭乗しているパイロットやキャビンアテンダントの健康管理に応用できます。同じ様な状況にあり、白内障の発症が職業病となっている部門でもあるそうですので。
4)なら遠隔地医療。宇宙には医者を常駐させられないので、地上から健康管理などを行う必要があります。これは医者が常駐していない離島などでも使える技術になります。
5)は、バクテリア環境の制御をどうするのか?などが対象になります。飛行士の抵抗力が落ちると、善玉菌でも悪さをしてしまうため、例えば宇宙食の研究から「食の安全・安心」などの研究が出来ます。それにより「安全な食品製造」「健康機能食、災害食」「環境に優しい容器」などの開発に繋がるでしょう。
また他にも「産業保険の充実」「長時間勤労者の健康管理」「有害環境リスクからの保護」「メンタルヘルス対策」など、閉鎖空間に起因する様々な問題への対策になるはずです。

これらを実証するため、現在宇宙に行っている若田宇宙飛行士も実験に参加しているそうで、「ビスフォスフォネート(骨粗鬆症の治療薬)で予防できるのか?」や、「軌道上遠隔医療の技術検証」などが現在進行形で行われています。
いずれにせよ、宇宙に人間を送ることは、ものすごいお金がかかるのも事実ですが、こういった地上ではなかなか出来ない状況が、我々の生活を補助するのに新 しい知見をもたらし、必ずや使った分大金は返ってくるということが、大変重要な点であることを認識しなければいけません。

「満天」試写会2009夏

 今日は午後半休をいただき、池袋にあるサンシャインへ。ここにあるコニカミノルタ・プラネタリウム株式会社直営のプラネタリウム「満天」の試写会にやってきたのです。明日から上映が始まる番組を先に見ることが出来ますので、今回は会社休んでまで観に来ました。
毎回、試写会のお誘いをいただいていますので、本当はその都度やって来たいのですが、さすがに仕事の締め切りが重なったりで、毎度毎度というわけにはいかないのが難点ですね。

さて、ネタバレは良くないので中身には触れませんが、今日観た番組3本+ショート番組1本の雑感をご報告させていただきます。

全体的には
「さすが『満天』」
と言いたくなるような、クオリティの高い作品に仕上がっています。集客を考えるなら、ハードウェアもソフトウェアも金をけちっちゃいけないし、どんな層をターゲットして番組を作るのかを明確にしなければいけません。その辺は5年間の積み重ねは伊達じゃないな、と感じました。
古いスライド投影機だけで、子どもだまし(子どもすらだませないレベルですが)のキャラクターを使った番組なんぞはやりません。またやって来たくなるような設定・選曲などは、他の館も見習ってほしいものです。

では続いて、個々の番組の感想を。

ショート番組「太陽が消える!? 7・22皆既日食」
奄美大島で日食を観たら?というコンセプトで制作された番組です。まぁ、日食の様子がドーム全体で表現されますので、なかなか見応えがあります。一般の方だと、日食を現地まで観に行った気になりそうですね。
そしてやっぱり、日食が起きるときの太陽・地球・月の位置関係をわかりやすく解説するには動画に限ります。しかもドーム内での全天映像は、自分がその視点に立って見下ろしたり、見渡したりできるのが最大の魅力です。こういう映像はわかりやすくて良いよなぁ、と思いましたね。ドームには静止画ではなく、やはりこういう映像が似合うんですよ。

プラネタリウム番組「銀河の輝き 天の川 宮沢和史とめぐる星空の旅
THE BOOMが20周年、「満天」が5周年ということで、提携して制作された番組です。THE BOOMの宮沢氏が語りを行っている番組なので、ファンの方は必見かもしれません。全体的なクオリティーも高いです。
ただ、個人的に難点を2つ。これは宮沢氏の声の質のせいなのか、音響設備のせいかはわかりませんが、所々、BGMと語りの声が不協和音になってしまっているところがあり、聞き取りにくい箇所があります。ノイズが入ってしまったような印象を受けてしまうのです。もしかしたら一般のお客さんにはわからないレベルなのかもしれませんが、元本職としては「ちょっと何とかしたいなぁ」という印象を持ちました。
もう1つはシーンンとシーンの間の余韻があまりないこと。BGMを絞るフェードが短い。そこにすぐに次のBGMが乗っかってきて、語りが始まってしまうのです。何カ所かは
「もうちょっと、あと2秒の間があれば余韻が楽しめるのに」
と思ったところがありました。全体的なクオリティが高いだけに、少し元シナリオライター、元演出家としては不満の残る作品でした。


ヒーリング番組「星のせせらぎ
 アクアヒーリング
「水」をテーマにしたヒーリング番組です。番組中、シーンに合わせて2種類のアロマの香りが場内に流れます。これは専門の会社に依頼して、シナリオを読んでもらったうえで、合いそうな香りを調香してもらってるんだそうです。なかなか良い演出ですね。
しかし内容は…うーん、これは意見が分かれるところだなぁ。個人的にはイマイチ。水樹奈々さんの語りですので、ファンの方は見られればいいと思いますが、天文ファンには物足りないでしょう。
また純粋に「ヒーリング」を求めてきた方にも、しんどいかもしれません。理由は、全体的に、5分程度のショート番組を単純につなぎ合わせた様にしか見えない点です。それぞれが短くてゆったり出来ないんですよね。その上、シーンとシーンがあまりきれいにつながってなく、唐突に話が飛んでしまう印象を受けてしまうのも、イマイチな原因かもしれません。
とはいえ、これも一般の人にはわからない程度なのかもしれませんけど。私、気にしすぎかな?

特別番組「銀河鉄道の夜」
この「満天」で初上映だった本番組。当時は星はプラネタリウム本体で映し、それ以外の部分をCGにしていたんだそうです。その後、全国展開する際に降るCGに作り直して配給。今では海外も含めて55館で上映される番組になったんだそうです。
今回「満天」では、このフルCGヴァージョンを初めて上映するんだそうで、制作者のKAGAYA氏が挨拶を行いました。また、次回作の予告編が1分間ついています。しかも「満天」のシステムは映像クオリティの高いドームに仕上がっていますので、他の館で観られた方も、是非再度見比べてみてはいかがでしょう。ちなみに私は、今日のが3館目だったりします(苦笑)。

 

ということで、3時間かけて3本半を観てきました。明日からはお金を払えば誰でも観る事ができますので、お時間のある方はちょっと覗いてみてください。