しまった!と思った時にはもう遅かった。彼女は隠し持っていた小槌で隙を狙い、コツンと僕の頭をこづいた。そして僕は意識を失った。 「眠り小槌」というのを知っているだろうか?少なくとも小槌は知ってるよね?そう、小さな金槌み …
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カテゴリー:掌編小説(ショートショート)
時間銀行
俺の一日はiモードで休講の状態を調べることから始まる。 「よーし、今日は三コマ目が休講か。と言うことは、十二時から十八時までは空きだな。」 早速時間銀行にある口座にアクセス。六時間を振り込む旨、予約を入れ …
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パソコン
遂に会社からパソコンを渡された。銀色をしたA4の紙くらいの大きさで、厚みは三から四センチメートルと言ったところか。詳しい人間なら「A4型ノートパソコン」で通じるらしい。会社の若い奴に訊いたら 「液晶ディスプレイが目に優 …
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通勤電車にて
私はサラリーマン。四十二才、妻子持ち。毎日一時間五十分かけて電車を二つ乗り継ぎ、出勤している。当然朝はものすごく混む。満員電車というやつだ。今日はそんな私の通勤風景をお届けしよう。 ホームに電車が入ってくる。一本やり過 …
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タバコ
目が覚めると、そこは異世界だった。別に望んだわけではないが、その世界ではタバコを吸う者が一人もいなかった。 最初に異変に気がついたのは、通勤のバスを待つ列でだった。タバコを吸い始めると同時に、周りにいる人々 …
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夜に輝く
星の綺麗な夜。僕は毎日外へ出て、ビルの谷間からかすかに見える天の川を見るのが好きだ。でも父さんから聞いた話だと、昔は都市では星なんか見えないくらい街灯がまぶしかったらしい。今はところどころにポツンと申し訳程度にしか街灯 …
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携帯電話
ま、また聞こえる。あの携帯電話の音が・・・だ、誰か頼む。あれを止めてくれ! 発端は些細なことだった。そう、携帯電話を購入してから一週間ほどもした頃であったろうか。ちょうど携帯電話も手に馴染んできて、 「これで俺もモバ …
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