Day CONTACT2 in Nagoya After Report ~ひなたぼっこ命 VS 無責任一代江戸っ子~

タイムテーブル
 今日、7月14日は、「Day CONTACT2 in 名古屋」が催された。会場となった愛知県産業貿易館に集まったのは約50人。私にとっては3回目となるFCS(ファースト・コンタクト・シミュレーショ ン)である。やっぱり見慣れた顔が多い。他人のことは言えないけど(苦笑)。

この50人ほどは4チームに分かれ、A&Bチーム、C&Dチームでそれぞれコンタクトを行うこととなっていた。ちなみにA&BチームはAが地球(ただし 時代は不明)、Bチームが最近発見されたガスジャイアントとおぼしき天体がハビタブルゾーンにあるという「エリダヌス座のHD28185」であった (?)。C&DはDC1と同じく、宇宙船で目的の星に向かっている途中、というシチュエーションだけで、他は自分勝手に設定を作って構わないことになって いたようだ。

さてタイムテーブルであるが、これは以下のようであった。
10:00~ 設定作業
11:30~ 昼食
12:30~ 設定残り
14:45~ プレ・コンタクト
16:00~ コンタクト
17:00~ 発表
18:00  終了・解散
19:00~ 懇親会
というスケジュールで進行した。

ちなみに私はDチームで、議長は野田令子さん、苦力は山本香月さんが務めていました。

動機・人数
 これはさまざまな案が出たのだが、おおむね前回と同じ内容となった。この辺に関してはあんまりバリエーションがないのだろうか?それとも突拍子もない設定をすると後で苦労することを皆が何となく感じているのだろうか?
動機としてはすぐに「移民」ということで決着した。また母星に住めなくなってしまったから全員が移民するという設定にし、とりあえず1星系につき100万人ずつ向かわせることにした。ただし1隻の収容人数は1万人とし、100隻で船団を組むことにした。
ちなみに母星に住めなくなったのは環境汚染が深刻になったためである。二酸化炭素の増加に伴う温暖化現象、化学汚染、生化学汚染、原子力発電所爆発による核汚染。一つ一つなら対処できるが、全部が重なると対応が困難で、移民せざるを得なかったのである。
そう書くと凄く深刻な問題なのだが、
「こんなにいろいろ重なるなんて、すごくいい加減な運営をしていたとしか思えない」
という意見が流れを変えた。
「そうか、我々はいい加減で大雑把なんだ!」
この瞬間から少なくとも私の頭の中は「大雑把」という言葉で支配された。きっと近くにアプロがいたに違いない。

これだけ大雑把だと当然工作精度も低いだろう。機械なんかしょっちゅう故障するに違いない。
「そうか、だから環境が悪化して住めなくなったんだ。きっと『ちょっと原子炉が爆発しちゃいました~、テヘっ』とか『ちょっと有害物質が流れ出しちゃいました~、テヘっ』とか言っているに違いない。」
「おお、自己完結しているじゃないか!」
まぁ、おおむねこんな感じであった。

体の大きさ・船&船団設定
 大きさは50~70cm。寿命は50年程度。人生50年のでっかいネコサイズ。あ、やっぱりネコなんだ。だってほらほら苦力がホワイトボードにネコ描いてるし・・・(^^;)。
さて船の大きさは、このサイズで1隻1万人ならどれくらいの面積が必要かを計算。その辺から船の直径と全長を求めた。ただし大雑把な性格で歩留まりが悪いので、あちこちが壊れることを前提にして、安全係数を3倍ほど取った。
「こんなのをあちこちに出発させたのか~。こんな無茶苦茶をやったら資源枯渇も環境破壊もおこるわな。もしかしたらこの船団を作ったから母星が滅びたんじゃ・・・?」
「少なくとも止めを刺したのは間違いないでしょうねぇ。」

しかし、こんなに大雑把な連中がよくここまでに文明を発展させたものだと感心したが、要は中にはマメなやつもいる。そいつらが
「大雑把な奴が使っても壊れないで使える」
事を前提に、安全係数を倍ぐらい取って(つまり安全装置を増やすとか、バックアップを何系統も作るとか)設計する。でも作る連中が大雑把だから歩留まりが 悪い。よく故障する。でもそれが普通だから誰も文句を言わない。壊れるのが当たり前だと思っていて、壊れたら「運が悪かった」で片づける。
行動もかなり大雑把。10中8、9の確率で大丈夫ならやってしまう。成功率が99.999・・・%でないとダメとかは考えない。
「きっと宇宙船もちゃんと動くのからエンジンが全部ぶっ壊れたやつまでいろいろ出るに違いない。」
「だから100隻なのか・・・80~90隻は着くからOKなんだな。」
「今回は初めてのケースだから60隻でもOKかも。『40万人死んだ』じゃなくて『60万人も辿り着けちゃう』って発想なんだろうなぁ。」
「前向きだねぇ。」
この恐るべき大雑把で前向きな船団は、出発時刻のずれとエンジンの故障率から、最初の船を皮切りに7~8年後くらいにピークを持つ分布で到着することになるはずだ。ちゃんと計算はしてないけれども。

さて船であるが、遠心力による疑似重力を発生させるため、直径1km、長さ1kmのチクワ形で、チクワの底には放物面鏡を持つ。その後方にエンジン部が突き出している。つまり口径1kmのシュミット式望遠鏡にエンジンを取っつけた様な形である。
エンジンが奇跡的にトラブルを起こさず、トップで星系に着いた我々は、惑星系の外縁部(イメージとしては3光時程度だが、先に1光日と言ってしまって物 議を醸しだした)でほぼ減速を終え、その後4日間は慣性飛行状態で観測をして、その後3日で第2惑星衛星軌道上にて停止(正確には衛星になる)という方針 で行動することに。
観測結果はすぐに後方の船に伝えられ、ここに移民するかそれとも再び別の星系を目指すかを決めるための情報となる。もちろん我々も、ここに住めるという保証はないので、ガスジャイアントに補給しに行けるだけの燃料は残すという前提だ。

さぁ、これで我々の行動方針は決まった。あとは外見とメンタリティーの詰めだけだ。何となくネコ型で大雑把な性格の様な気がするが・・・ああ、再びホワイトボードに「気のせい」であるというネコが・・・(^^;)。

外見・メンタリティー
 すでに我々の頭の中は「アプロ」に支配されていたが、一応一人一つずつ様々な事例を出してみた。曰く「旧ソ連」だの、「中国人海戦術方式」だの、「裏長 屋の魚屋」だの、「江戸っ子」だの、「植木等」だの・・・。当然「アプロ」というのもあったが、最終的に多数決で決まったのは
「無責任一代江戸っ子(爆笑)」
または
「江戸っ子な植木等」
であった。つまり行動指針は
「そのうちなんとかなるだろう」
「だまって俺についてこい」
「そんなのは粋じゃねぇや!」
である。何とも楽観的で刹那的なことか。思いついたら即行動、ケンカっぱやいが根に持たない、個人主義的で文化は華やか。みんながみんな、思い思いに歌舞いている。一体どんな集団なんだ?

これでネコ型なら確実にアプロもどきだが、外見に関してはどちらかというと「サバクトビネズミ」みたいな感じになった。2本の足を軸に、頭としっぽでバランスを取り、全身が白~茶の毛むくじゃら。目と耳は見えるが、鼻・口は毛で埋もれている。
大きな身体的特徴としては2肢しか持たないことであろう。体から出た足は膝、足首続き、その先は蹄になっている。が、そこで終わらずさらに上方へ伸び (つまり足首が肘でもある)、5本の指を持つ手がついている。なお、5本というのは明確には決められていなかったが、相手先に通信を送る際に描いた絵に5 本の指を描いたので、5本なのである。

その他、視覚は人間とほぼ同じであり、音声による会話を行う。胎生で雌雄の別があり、50年の一生の間に5~6人(?)の子どもを産む。この子ども達を コミュニティー内で育てているので、血縁よりは知縁を重視する。ただし歩留まりの悪さはここでも健在で、生まれた子のうち何人かは死んでしまう。

なお、我々は自分たちのことを「テモテ」と呼んでいる。これは我々だけがこの星で唯一作業肢(ある関節から先を作業肢とした)である「手」を持つに至った事から、「手持ち」をなまらせてこう呼ぶことにした。

プレ・コンタクト
 我々はこの星に向かったテモテ船団のトップを切っている。我々の使命は後続船団にこの星の情報をより多く、正確に伝えること。もちろん未知の危険が待っ ているかも知れないが、それに伴ううまみもある。すでに我々の頭の中は最も大きい湖で海水浴を楽しむことに集中されている。建設する住居の区画割りなんか も楽しみの一つだ。
ところが!減速して観測を始めてみると、あらびっくり。何と第二惑星に何かいるようなのだ。しかも衛星軌道上には宇宙船らしき姿があり、地上と定期的にシャトルが行き交っている。
「じいさん、ウソつきやがったな!誰もいない新天地っていう話だったじゃねぇか。」
しかも彼らは一番大きな湖に陣取っているようだ。何やらその湖だけが緑色をしている。だが夜になるとその緑は消えてしまう。一体何なのだろうか?仕方がな いので、とりあえずその湖を「Midori湖」と命名した。Midori湖の周辺にはどうやらエネルギープラントやシャトルの発着場があるらしい。残念な がら我々がそこで海水浴を行うという計画はご破算になってしまった。全員が大変がっかりしたことは言うまでもない。もっとも苦力だけは
「異星人がいるんですよ。何とも思わないんですか?!」
と叫んでいたが、我々の返事は
「いや、だから、一番大きな湖を取られてがっかりだって」
であった。しかしもともと大雑把な我々はそんなことではめげない。
「残念だけど、先輩がいるんだなぁ、あの星には。ま、挨拶しとくか。」
軽いノリで499までの素数と、499×499で描いた我々の姿、そして第二惑星まで行くよ、というメッセージを送った。返事が返ってきたら今後の行動に 修正が生じるかもしれないが、何もなければまず第二惑星の衛星軌道まで行って、そこから再びメッセージを送ることにした。ついでにガスジャイアントに探査 プローブを3機ほど送っておいた。

相手からの返事が届いたのは衛星軌道上に辿り着いたときだった。しかも我々のメッセージを返してきただけ?としか思えない内容。
「うーん、来るなとは言ってないし、敵意がないことだけ言って、地上に降りて基地作ろっか。」
そんなわけで、再び挨拶と地上に降りる旨連絡し、この星で2番目に大きい湖の畔に基地を建設し始めた。この湖は「Hitoshi湖」と命名した。最初に降 りた連中は3日も宇宙服を着ていることに不平たらたらだったが、まぁ無事に建設も進み、多くの人員が地上に降りた。当然海水浴も楽しんだ。
と同時に、Midori湖の異星人とのコンタクトも電波を通じて行っていた。そして3ヶ月も経つ頃には、それなりに意志疎通が出来るようになっていた。
そこでMidori湖とHitoshi湖との間にある小さな湖の湖畔でコンタクトをすることにした。ようやくお隣さんにご挨拶が出来るわけだ。

コンタクト
 選ばれたコンタクト要員3名は、ヘリで会談場所に向かった。この様子はテレビカメラを通じて基地や船にも送られている。が、相手が時間を夜に指定してき たため、暗視カメラなどの機材が必要になり、撮影班からはちょっとだけ苦情が出た。また3名の選出方法に納得のいかなかった連中や野次馬連中が、会談場所 から1kmほど離れたところで聞き耳を立てていた。

さて、ヘリから降りてみると2mくらいの緑色のものが待っていた。これがコンタクトする相手らしい。よく見えないし、カメラの映りが悪いのでライトで照らしたら、ちょっと広がった。変わった連中だ。
まず我々はゼスチチュアで挨拶をした。反応がない。仕方がないので
「こんばんわ」
と言うと
「こんにちは」
と返事が返ってきた。どうも勝手が悪い。しかもその後「居住範囲問題」や「魚の放流問題」など、いろいろ交渉をするも、どうもやっぱり反応が悪い。やたら とのんびりしている。交渉なんて面倒なことはちゃっちゃと終わらせて宴会モードに突入したい我々としてはイライラさせられる展開だ。どうやら光合成をする 生物で、寿命が1000年ほどあるから、のんびりとしているようだ。それなら仕方ねぇな。
結局「居住範囲問題」は彼らが海に我々が陸に住むこと、そして母船から魚の3次元CADデータまで送ってもらった「魚の放流問題」は我々が独自に生け簀 を作ることで、相手が検討に入った。返事まで5年くらい考えさせて欲しいらしい。まぁ、その間に我々の後続船団が到着するけど、いいか。
こちらも出来る限り環境を汚染しないこと、鳥を放さないこと、魚が海に逃げ出さないことを条件に、このHitoshi湖周辺で暮らし始めることにした。やっぱり先に住んでる先輩には配慮を欠かしちゃいけない。彼らからは
「母星はどうなったのか?」
と尋ねられたが
「いろいろ不幸なことがあったんだ」
と答えるのにとどめ、
「10年ぐらいかけて説明しますよ」
とだけ返事をした。相手に合わせてあげるのも”粋”ってぇもんよ。
そうそう、最後に彼らから遺伝子工学関連で、寿命に関する基礎データ提供の申し出があった。寿命を延ばす方法を研究しては?という申し出だが、何人が興味を示すことやら・・・だらだら生きてても仕方ねぇしなぁ・・・
こちらも彼らの体にボディペイントをする技術を開発することにした。何でも超音波でわかる絵を体に描きたいらしい。もちろん光合成に必要な波長は遮らな いものでないといけない。これにはうちの連中が何人か興味を示した。何しろ直径100mも塗りたくれて、しかも1日で消えてしまうと来たもんだ。これが粋 な芸術だぁな。

反省会
 前回の「ヒュンヒュン」と「ワ・レワレ」に続いて、何とツボを心得た演出、いや設定だろうか!思い立ったら即実行という我々「テモテ」に対し、寿命1000年、のんびり構える「フウセンクラゲ(仮称)」。
これでは話のテンポが全然合わない。まぁ、向こうが考えてくれている間に、こっちは勝手に物事を進めてしまうというという展開となった。この惑星上での 様々な活動も同様だろう。人間とチーラほどではないが、これだけ思考速度に差があるといろんな意味でしんどいものですね。
さてその後のことだが、おそらくテモテは衛星軌道上にエネルギープラントや化学プラントを建造し、「フウセンクラゲ」に迷惑がかからないように注意するだろう。だが、
「あ、魚逃げちゃった」
とか
「鳥逃がしちゃった。ゴメンね」
とか
「ちょっとプラントが衛星軌道から落ちて来ちゃった」
とか言いそうな気がしてならない。悪気はないし誠実でいいヤツなのだが、ぜんぜん信用が出来ない連中である。困ったものだ。(って、設定したのは我々ですが)

 

テモテ側 野田令子さんのページ