高校3年生の冬のある日、目が覚めるともうすでに時間は9時だった。
「あ〜、もう9時か〜・・・」
布団の中でぼんやりとした頭で時間を確認し、その次の瞬間、一気に目が覚めた。
「9時?!試験始まるやん!!」
そう、今日は共通一次試験(えー、今で言うところのセンター試験)の当日だったわけだ。しかもそんな日に限って寝坊!家族も誰も起こしてくれないっ!!
大急ぎで着替え、ご飯も食べずにバス停へ走る!親は何も声をかけず、
「車で送ったろか?」
とも言ってくれない。しかしそんなことを気にしている場合じゃない。何しろちょっと遅刻してでも試験を受けられるかどうかの瀬戸際で、こちらも頭が真っ白になっていたのだから。
そして何とか試験会場にたどり着く。すると、クラスメイトが声をかけてきた。
「何やっててん。さっき数学終わったで。」
な、何いぃぃぃっっ!数学が終わったぁぁぁぁ?!国語と英語でポカする分、他の3教科、特に数学で満点取って稼ぐ予定やったのに?つーか、あと残った4教科、全部満点取とらんとあかん計算やん!!
そんなん無理ッッ!!
もしかして、試験受ける前からいきなり浪人確定なんか?!
と、そこで目が覚めた。急いで時間を確認すると
「8時」
よし!これならまだ間に合う!!急いで着替えてメシ抜いて飛び出せば大丈夫やっ!!!
つーか、夢の中でもそうやったけど、現実の世界でもうちの親は冷たいなー。息子の大一番やで、フツー起こすやろ。例えば7時になったら声かけるとか。
あ、もしかして、私立なんか受けへんからな!って一週間、口きかんかったこと、まだ根に持ってるんかぁ?そんなんで息子の将来狂わして、何か得あるんかいな?!
あー、そんなこと考えてる場合やない。試験の準備・・・出来てへんやんっ!!準備せずに寝てもーたんかっ?!何やっててん、昨日の俺!カレンダー見たら、今日が何の日かくらいわか・・・る・・・あれ?
高校3年生の冬、12月のある日曜日の出来事でした。
えぇえぇ、
そのまま布団に潜り込みなおしましたとも(苦笑)!