SFの宇宙船は何を噴射しているのか

宇宙を旅する系のSFを書こうとして困っている。
恒星間はワープみたいな空間跳躍系を使って移動するとして、惑星系内はどうするかって話。さすがに何光年も移動するのに光速以下の速度で移動するのは現実的じゃない。だけど、例えば太陽系内を移動する場合、特に月から地球に移動する際などにはワープは現実的じゃないから、何かを噴射して移動するんだと思う。
宇宙戦艦ヤマトを始めとして、SFに出てくる宇宙船は確かになんか噴射してるから、ロケットと同じく作用反作用による推進なんだろうけど、何を吹き出してるんだ、あれ?

●推進剤タンクはどこ?

まずはだね、何かを噴射するのであれば推進剤の入ったタンクがいるよね。無くなってきたら補給もしないといかんよね。
現実的な解としては宇宙空間に漂っている水素を磁場で取り込むというのがある。これをバサードラムジェットと言うのだが、これは惑星系内で使うのが大変。基本的には恒星間を移動するときに使う。もうちょっと言うと、水素は軽いので、噴射する量が多くないといけない。基本的には宇宙船の重さに応じた質量を噴射しないといけないので、軽い物を推進剤にすると結構大変。

だとすると光子帆船にする? 太陽光で推進するシステムだけど、あれ速度を上げるにはメチャクチャ都合が悪い…っていうか太陽方向、つまり今いる軌道から内惑星系に向かうのが面倒い。

一体、スペースオペラを書いている人たちは、その辺どうしてんだろう?

そういえば宇宙戦艦ヤマトの内部構造図を見たときに「推進剤タンク」とか「プロペラントタンク」を見た覚えがない。さっき家にある資料を見たけどやっぱりない。ネットに上がってるのを見ても、ない。

待てよ、そういやホワイトベースの内部構造図でも見たことがないような気がしてきた。というか、ガンダムなんかだと、モビルスーツを長距離出撃させるときにはプロペラントタンクを増設する描写があるけど、宇宙船の場合はないな。

●噴射しないでも行けるだろうか?

1920年代のスペオペだと、重力遮断物質(ケイバーライト)とかがあったけど、重力を遮断しても加減速には作用反作用使うよね?
あと慣性制御とかで重量を軽くして推進しやすくするとかいう設定も見たような気がするけど、やっぱり加減速には作用反作用使うよね?
そう考えると谷甲州氏の航空宇宙軍史のような軌道遷移をガチでやらんといかんのか… そう思うと、宇宙空間の移動はホントに大変。

あー、そういえば1900年くらいまでは
「宇宙はエーテルで満たされてる」
って考えられてたから、地球上の船が水を漕ぐように、エーテルを漕げば良かったんだ。

今だと…ヒッグス粒子を漕ぐ?

それか宇宙船の前方に重力場を作って加速、後方に重力場を作れば減速みたいな形か。これだと何も噴射してないけど。

●実際に噴射するとすると、何?

折角だからさっき例に出した宇宙戦艦ヤマトで考えてみよう。
ヤマトの質量は62000トンらしい。
もしヤマトを光速の1%にまで加速するなら、推進剤の噴射速度を光速度にできたとしても、620トンほど噴射しないといかん。
止まるにも同じだけ要る。余裕を考えると62000トンの船体に2000トンくらいは推進剤を載せたいところだ。
そして時々補給する。

2000トンかぁ…水だと10m×10m×20mくらいだな。
んー、これくらいなら放射線防御用に装甲の裏側に層を作って置いておくこともできるか。被弾すると推進剤も失われるけど。でも水だと艦内で人間が生きていくのにも使えるし、大抵の惑星系の外縁には氷でできた天体があるので、割と補給はしやすいと思うんだ。そんなに量が必要ないなら、専用のタンクがなくても良いのかも知れない。

ただし戦闘機動をすると結構使う。もうあと10倍くらいはあった方が良いかも知れん。ざっくり30m立方くらいか。これでも推進剤タンク無しでも行ける…のか? 何とかなりそうな気もする。

でもな、ヤマトの最大速度は光速の99.9%らしい。とすると、そこまで加速するには約60000トンの推進剤がいるぞ。船のほとんどが推進剤。それでは話にならん。

うーん、悩ましいな…